Yuigo・ん・・・湿っぽい

モルック、システムエンジニア、その他趣味。大学生のころから使っているので、昔の記事は恥ずかしいし今の思想とは異なっていることが多いです。

さよなら星の記憶【2014work】


学習塾の前で
中学生がふたり
佇んでいる
母の迎えを待っているのか
それともこのまま
時間を泊めようとしているのか

 

稲毛駅東口から
風に吹かれる羽のように
浴衣が四方に散っていく
誰のもとへ帰るの
誰のもとへ帰るの

 

君が指から零してしまった言葉を
星に任せて記憶する
僕の頭には残らない
君の後ろ姿はいない
君が湿気た表情(かお)から見せた紅い文字を
キロバイトで記憶する
僕の眼にはもういない
君の後ろ姿はいない

 

水の中、息継ぎを
するようにしてあの人
待ち合わせている
世界という牢屋は上の空に
もしかしたら、と
総武線の中の誰を待っているのか

 

稲毛駅ひかりの外に逃げ
空気に毒された蝶みたいに
あと30分は瓶のなか
誰を君は待ってる
誰を君は待ってる

 

君が指から零してしまった言葉を
星に任せて記憶する
僕の頭には残らない
君の後ろ姿はいない
君が湿気た表情(かお)から見せた紅い文字を
キロバイトで記憶する
僕の眼にはもういない
君の後ろ姿はいない