Yuigo・ん・・・湿っぽい

モルック、システムエンジニア、その他趣味。大学生のころから使っているので、昔の記事は恥ずかしいし今の思想とは異なっていることが多いです。

【詩】夢の狂い

 

あんまり言いたくない言葉が幾つかある

それを孤独の立方体にいる僕が口に出すと

自分の声が腹の底に帰ってきて

旗を降ろして眠りたくなってしまうんだ

 

手を伸ばせば届いてしまう

そんな錯覚を描いている

本当は世界のこれっぽっちも

知りもしないというのに

アマルティアセンに従えば

僕はとても不幸せだ

それでもそうと思いたくない

思うとしたら、それは夢の狂いだ

 

 

 

すれ違う子供の耳元に流れる曲は

説教臭いアイドルの宣告めいた駄作

良くもなく、逆でもない場所に行きたがる

人は離れることを許されていないと聞こえた

 

手を伸ばせば届いてしまう

そんな明朝体がこびり付いている

最初から世界を狭いものだと

騙されているというのに

アマルティアセンに従えば

幸せなどありもしない

それでもそうと思いたくない

思うとしたら、それは嘘の類だ

 

 

 

風の音を聴きすぎたんだ

爪がぽろぽろと崩れていくだろう

肝心のイヤホンはコードを

噛みちぎってしまったから仕様がない

参る程に空腹の月が

余り物の船たちが

澱みっぱなしのキャンバスが

集まる場所は一つしかない