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Yuigo・ん・・・湿っぽい

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【本紹介1】この世界にサブカルチャーは存在しないらしい『蘇える変態/星野源』【雑50】

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訪問ありがとうございます。

 

読書の紹介は度々しているのですが、今回からしっかりナンバリングさせていただきます。雑投稿みたいな曖昧なナンバリング基準ではないので検索する際の参考にしてください。

 

今回紹介させていただくのは、マルチに活躍する’才能人&努力人’(と私は呼びます)の星野源さんによるエッセイ集、『蘇える変態』(マガジンハウス、2014)です。

 

 

蘇える変態

蘇える変態

 

 

 

2011年から2013年まで、女性向けファッション雑誌「GINZA」に連載していた「銀河鉄道の夜」というエッセイに加筆・修正・書き下ろしの追加をしたものです。

 

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1981年、埼玉県生まれ。音楽家・俳優・文筆家。学生の頃より音楽活動と演劇活動を行う。2000年に自身が中心となりインストゥルメンタルバンド「SAKEROCK」を結成。2003年に舞台「ニンゲン御破産」(作・演出:松尾スズキ)への参加をきっかけに大人計画事務所に所属。……

(画像・引用) 星野源 オフィシャルサイト - PROFILE

 


星野 源 - Crazy Crazy/桜の森 【MUSIC VIDEO & 特典DVD予告編】 - YouTube

 

とはいっても、内容は実に、星野さんによる「やりたい放題」といった模様でしょうか。エロい話、仕事で疲れた!というわがままにもにた響き、「(疲れているので)こうでも書かないとやってられない」と言いながら仕事の内容を自慢げに書いていたり、本当に自由に書いていたんだな、ということが分かるエッセイ。つまりは、彼の本質が隠れることなく現れている、ということも言えるのではないでしょうか。

 

それぞれのエッセイは短く、書き下ろしの「楽しい地獄だより」を除けば5ページ前後でまとめられていますので、生活の中の様々なスキマ時間にもってこいですね。

 

私がひとつだけ紹介するお話は68ページからの「川勝さん」。川勝正幸さんという方が2012年に亡くなってしまったのですが、その思い出とともに、サブカルチャーという言葉に対しての疑問を投げかけています。

 

川勝 正幸(かわかつ まさゆき、1956年11月21日 - 2012年1月31日)は、音楽や映画などサブカルチャーを守備範囲とするライター、編集者。自称「ポップ中毒者」。福岡県福岡市生まれ。かつては、「ウッディ川勝」という名義(ウッディ・アレンに由来)を使用していた。

 

 

川勝正幸 - Wikipedia

 

サブカルチャーを牽引した人物としてWikipediaには紹介されていますが、星野さん曰く「実は川勝さんが書く文章には『サブカルチャー』という言葉はまったくと言っていいほど出てこない」のです。そして、川勝さんは「ただ、『俺・川勝正幸』が面白いと思ったものに対し、その楽しさを『俺』フィルターを通していろんな人に伝える、愛のある言葉があった」と、振り返っています。

 

 

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恥ずかしながら私は川勝さんのことを存じ上げなかったのですが、これは現在進行形で注目されている「キュレーション」の仕組みに近いと言っていいでしょう。情報を自分で手探っていくよりも、あるカテゴリの情報に極めて明るいキュレーターの「視座」にチェックイン(同化)することで情報を回収していく……佐々木俊尚さんの『キュレーションの時代』(ちくま新書)では、このような定義でキュレーションは紹介され、これからの時代を引っ張る情報社会の基盤となるだろうと予言していますが、それよりも前から川勝さんはキュレーターとしてポップカルチャー(と彼は称していた)を求める人々の間で、オピニオンリーダー的な存在として活躍していたのです。このことは、キュレーションという行動自体、ごくごく一般的に浸透している「クチコミ」という現象と親和性を持っていることからも自然なことでもあります。

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そして、自らも度々「サブカルチャー」のバケツに入れられることも多い星野さんは川勝さんの思いを引き継ぎながら、サブカルチャーという「言い方」「使い方」に対してこのように言及します。

 

「そして今、作品を創る側の人間になり、そして『サブカルチャーの人』と受け止められることも多く、それ以降『サブカル』というものについて、ことあるごとに考えるようになった。」

 

「……俺だって昔はなんとなく『この言葉を使えばカッコいい気がする」という理由で『サブカル』という言葉を使ってしまっていたけれど、そもそも実はもう、サブカルチャーっていうもの自体が、既になくなっているんじゃないのか。

 

「……しかしその言葉(『サブカル』)は、インターネットが出現し、音楽にしても、映像にしても、保存技術が発達していて、……誰でも欲しいものが高品質で手に入り、……世界に広がることが可能になり、……『爆発的な大衆の流行の消失』をきっかけに、カルチャーの受け皿が『時代』という大きなものから『個人』という小さいながらも根強いものに変わり、どんどん意味をなくしていったのではないか。」

 

「……いまサブカルという言葉を使うということは、……ノスタルジックに想い、未来に背中を向けて現実を見ていないということになるのではないか。」

 

「……『サブカル女子』や『糞サブカル野郎』と差別的に揶揄するために使われることも多くなった……が、そもそも『サブカルだけが好きな人』など、……圧倒的に少なくなった現状であるうえに、サブカルというものが存在しない今、そうやって馬鹿にすること自体が滑稽で空虚だということに、その輩たちは気付いていない。好きなものを素直に主張しにくいそんな状況は、やはり悲しい。

 

(『蘇える変態』)

 

 

このようにして、星野さんはサブカルチャーという枠組み自体、時代の流れによって消滅し、カルチャーにメインもサブもないんだよ、なのに、趣味として、好きなものとして主張しにくい文化が残っているというこんな世の中にポイズンしているのです。これこそ、バンド、歌手、俳優、舞台、文筆……と様々な舞台に移り変わっても「星野源」というスタンスを崩さない彼の視点と言えるのではないでしょうか。

 

また、『蘇える変態』では、病にかかりながらも復活を果たす星野さんのリアルな闘病・復活を経たその軌跡も紹介されています。

 

 

 

そういえば、星野さんが復活した際のJ-WAVE「ラジペディア」で、彼が最初にかけて曲は(病床で勇気をもらっていたという)765PRO ALLSTARSの『READY!』でした。そういえばアニマスのテーマも、復活とか、再出発とか、そういうところになってますね。

……やっぱりアイマス最高!!

 

 

 

読んでくださりありがとうございました。


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