Yuigo・ん・・・湿っぽい

モルック、システムエンジニア、その他趣味。大学生のころから使っているので、昔の記事は恥ずかしいし今の思想とは異なっていることが多いです。

1on1によるふりかえりをはじめてみる

概要

後輩の成長と自分の接し方やコミュニケーションのとり方を見直す機会がほしいと思い、ふりかえりを始めてみることにした。

サムネイル用

背景

4月から新たな現場に入り、同じ会社の後輩と同じプロジェクトにアサインされることになった。私自身3年目なのでまだまだ最後尾で学んでいきたいのだがそういうわけにも行かないので、細かくレクチャーなり一緒に悩むなりしながら進めていった。

動機

なぜふりかえりをしようと思ったのか。新しい現場はアジャイルもといスクラム開発で進めていくことが多い。スクラムの中では「レトロスペクティブ(ふりかえり)」という定期的なイベントが用意されており、ここではコーディングや設計などとは一旦離れ、スクラム開発の進め方そのものについて見直す、という作業を行っている。

アジャイル開発とスクラム②:レトロスペクティブ完全版 - Qiita

開発プロセスそのものを定期的に見直す、という取り組みはウォーターフォールでは誰かが旗を振らなければ進まないが、スクラムではイベントとして用意されているので問題を洗い出し解決に向かう具体的な作業につながりやすい、というメリットを目の当たりにしていた。

そのなかでふと、自分と後輩との関係性については見直す機会が用意されていないなあ…雰囲気でOJTをやっているなあと思うようになり、あまりいいことではないな、という自覚も発生した。

そのため、何回か見聞きしたことのあるふりかえりをやってみよう、ということになった。

参考にしたもの

ふりかえり、更に今回は2人で進めて場合によっては会社や現場に公開を制限するような話もしようと思っていたので、1on1面談の記事を参考にした。

ゼロから始める新人エンジニア研修~「ふりかえり」~ | そるでぶろぐ

エンジニアと1on1をするときの事前面談シートテンプレート - $shibayu36->blog;

Effective 1on1 – 1on1のためにやっていること | Goodpatch Blog

まずは面談のテンプレートを作成して、これを面談前に書いてもらう。

テンプレートの作成

エンジニアと1on1をするときの事前面談シートテンプレート - $shibayu36->blog;から大部分を流用し、一部こっちのシチュエーションに合わせて修正した。

# 面談テンプレート

*各項目は漠然とした状態でOKなので、思いのままに書いていきましょう*

## 困っていること・気になっていること

*自分の困りごとや、チーム・会社・技術グループなどで気になっていることを記入してください*



*前回の困りごとが解決してなけれ引き続き記入してください*



## 最近やった中でうまくいったなと思ったタスク

*小さなことでもなんでも良いです。面談で掘り下げていきましょう*



## エンジニア目標振り返り

*チャレシや初回のふりかえりで決めた目標を定期的に振り返ります。*



## 話したいことなんでも

*なんでも雑談。上記リストに当てはまらないことはとりあえずここに書けばOKです。*



## 最近やったことリスト

*自分の振り返りのためや、メンターがあとでみるために使います。*
*単純にやったタスク自体を書けばOKです。*



## 1on1後にやるアクション

*1on1中に何か決まったら、ここに書いていきます。メンターと一緒に書く欄なので、記入は不要です。*
*また、メンティーだけでなくメンターのアクションも書いていきます。*

あくまでも話のきっかけにしかならないものなので、完璧に書く必要はなく具体化されていなくてこOK、という注釈を先に告げてから記入をお願いした。

当日

最初ということ+まだ現場での研修段階で具体的な作業をそこまで多くしていない、ということを考慮して、困っていること・気になっていることを中心に喋るようにした。

ふりかえりシートにはざっくりとした内容しかないので、「具体的に何に対して?」「たとえば現場ではどういうときにそう思った?」とオープンクエスチョンで掘り下げ、なんとなく本質っぽいものが見えてきたら「つまり、〇〇のときなどに△△になるってこと?」とYES/NOで答えさせる質問を出し、互いの認識が合ったことを確認してから解決方法の提案、そもそもそれが解決すべきものなのか、といった話へ進めていくようにした。

加えて、ホワイトボードにも今の掘り下げの過程を書き、互いに同じ方向を見て話ができているかを確認した。それぞれの具体的な話はここには載せないが、最低限解決策の見つけ方までは提案することができた。

今回の目的は具体的なTryを出して次の短期プロジェクトで試してみることだったので、掘り下げられないところもあったもののなんとか1つTryを出せたところで制限時間の1時間に達してしまった。

課題

エンジニア目標の鮮度

ふりかえりシートのテンプレにはエンジニア目標振り返りがあり、これは会社で半期ごとに作成しているチャレンジシートを利用しようかと思っていたが、チャレンジシート作成時には具体的な業務内容が分かっていないまま書いたこともあり、現状とはあまり関連性のない内容になってしまっていた。

そのため、半期くらいの長期的な目標を再度考える必要があったが、時間がなく「とりあえず2週間から1ヶ月後のスコープで目標を立てよう」とお茶を濁すことがやっとだった。

この辺はふりかえりというよりはチャレンジシート作成の課題と捉えたほうが良いと思うので、あまり今は考えすぎないほうがいいのだろうか。

メンターメンティーに誰を選ぶか

メンティーに対して誰がメンターになるかということについて、セオリーは業務上直属の上司や先輩を避けたほうがよいとなっているが、弊社のように少人数で現場に参画している場合は上記の原則を満たせない可能性がある。

これについては他社に頼るのは無理なので、どう対処すればよいのか…あまり明確な対処方法は出ていない(メンターがメンティーにプレッシャーを与えないよう気をつける、というのは方法として成り立っていないと思うので)。

効果

個人の課題を客観視する

プロジェクトの問題を表やチケットで管理することは当たり前のように行われている。しかし、個人の問題や課題をリストアップして眺める、ということはあまりしてこなかった。

そのため、今回のようにしっかり整理して書き出し客観的な目線から対処方法を考えることで具体的な掘り下げができたので、今後も続けていきたいと感じた。

別に、個人の成長や仕事の進め方についての課題もチケットやissueで管理できそうだな、と思うけど、わざわざ書き出す形式に拘ることで時間が無駄になる気もする

今後

まだ1回始めただけなので、何回かやってみて変化や効果があれば書いていきたいと思う。ある程度形ができてきたら、社内で共有して他の現場にも呼びかけてみたい。