朝起きたら枕が無くなっていたんだ
夢の世界に忘れてきてしまったみたいで
つまり僕はこっちの世界に
存在してはいけない「何か」を持ち込んだことになる
テレビが無い家だってある
木曜日に休む人だっている
おじいさんは川に洗濯に行き
おばあさんはビルの窓を拭いているのさ
身体が正方形になったら
青いカラーボックスに収まってみよう
勿論外には背を向けて入る
それがワープの合図だとも知らずにね
僕の頭を占拠して尊厳と自由を要求する
「永遠に思い出すことのないもの」達の集団
彼らが空にライフルを向け高らかに怒る時
58000回目の君がぼやけた笑顔を響かせる
今や誰もがSIMフリーになりたがる
傷口にワインを垂らす日だって珍しくない
もうこの辺でやめにはなったりしない
おばあさんは株で40万を溶かしているのさ
僕らが主人公だったら
なんて想像は吐き気だけを残すんだ
それなのに何かを伝えたい
何でもないようで意味のある傷を描きたいんだ